オーロラの歌



それに、私は二人を旅に付き合わせてる身。


わがままを言える立場じゃない。



「でも、見たいんだろ?」


「うっ……」



また、ラジに図星を突かれてしまった。


まあ、ちょっと、見たいけど。


二人を見れば、二人はたったひとつの返事を待ちわびている様子だった。



「……ちょ、ちょっとだけ、見てきてもいい?」


「もちろん」


「いーよ!」



言わされた感があるが、仕方ない。


これが正直な気持ちだ。


二人には、なんでもお見通しらしい。



私のわがままを受け入れてくれて、ありがとう。



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