オーロラの歌



ピンキーリング、というものだろうか。


その指輪の中央には、ハートの形になるように、透明に輝く石が三つ施されていた。



「可愛い……」



無意識に、呟いていた。



「欲しいのか?買おうか?」



さらっとそう言ってきたラジに、私は思い切り首を横に振って遠慮する。



「それは本当にいいよ!!」



さすがに、そこまでしてくれなくていいから!


私がお金を持っていれば、自分で買えたんだけど。


しょうがないから、諦める。


可愛いって思ったのは認めるけど、簡単に諦められる程度の物だ。



「本当にいいのか?」


「欲しくないの~?」



ラジとグリンが、じぃーっと私に疑いの眼差しを送る。


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