オーロラの歌
私はその眼差しを無視して、グリンの手からピンキーリングを取り、元あった場所に戻した。
それでもまだ、二人は眼差しを送り続ける。
私が「買って」とねだるまで。
「あのね、二人とも」
二人はようやく言う気になったかと、目を輝かせた。
けれど、私はそんなことは言わない。
「私が欲しいのは、アクセサリーなんかじゃないよ」
確かに、アクセサリーを見てみたいとか、可愛いなとか、思ったりしたけど。
買いたいとか、欲しいなとかは、思わなかったんだ。
「じゃあ、なーに?」
「それはね、友達!」
「友達?」
「そう。でもね、ラジとグリンが友達になってくれたから、それでいいの」