オーロラの歌



昨日、言ったでしょ?


『二人がいてくれるから、大丈夫だよ!』って。


アクセサリーも服も、要らないの。


ただ、二人がいてくれれば。


友達が、いてくれれば。


私はそれだけで、嬉しいし楽しい。



友達はお金では買えない。


友達のつくり方なんて、知らない。


だからこそ、関係はあやふやで、曖昧。


だけど、時間を積み重ねていく度、思い出を作っていく度、絆という名の糸は太く固くなっていく。


切っても切れないくらいに。



「二人とも、私のわがままに付き合ってくれてありがとう。それじゃあ、行こうか」



私はお礼を言って、後ろの二人を見ながらお店を出る。




「あ、待てよ、オーロラ」


「――オーロラ?」




私を追うようにして出てきたラジの声に、私の背後を通り過ぎようとしていた誰かが反応した。



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