オーロラの歌



聞き覚えのない、野太い声。


嫌な予感がする。


恐る恐る振り返ると、そこには、



「貴様、もしや極悪人のオーロラか!?」



拳銃や鉄剣を持った、数人の警備隊がいた。


や、やばい……!



「逃げるぞ!」


「早速、見つかっちゃったねぇ」



右手をラジが、左手をグリンが握って、慌てる私を連れて駆け出した。


繋がれた手のひらから伝わる温もりに、困惑していた心に安心感が生まれる。



「待て!!」



後ろから、警備隊が私達を追いかけてくる。


大通りの突き当りに差し掛かって、右に曲がろうとした時。


――ガシッ、と私の肩を警備隊の一人に掴まれた。



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