オーロラの歌
力強く掴まれたせいで、否応無しに引き止められる。
「は、離して!」
抵抗しても、警備隊の人が私から手を放してはくれず、掴む力がさらに強くなる。
痛い……っ。
「捕まえたぞ、オーロラめ」
警備隊の顔が、険しくなる。
彼らに殺意も憎しみもなければ、感情そのものすら感じない。
ただ、女王様への貢献と、警備隊としての義務感、そして国を悪から守る責任が、あるだけ。
恐ろしくなって、ゾッとする。
一度私を殺そうとした、ラジやグリンやエストレア・シティの人達とは違う、正義を掲げて殺しに来る警備隊。
「観念しろ」
警備隊の一人が私の首を掻っ切ろうと、持っていた鉄剣を振り上げる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
怖い!
こんなところで、こんな人達に、殺されたくない。
死にたくない!!