オーロラの歌



突然のことに、私は固まってしまう。


胸の奥が、ドキドキと高鳴る。


ら、ラジ?どうしたの?



「よかった、無事で……」



耳元に囁かれる、ラジのかすれた声。



心配、かけてたんだ私。


先にここに向かっていたはずの私が、二人よりも遅くやって来たんだもん。


……不安にさせてしまうのも、当然だ。



ごめん、と謝ろうとしたら、



「また会えて、本当によかった」



抱きしめる力を緩めたラジが、安心したように表情を和らげるから、言葉が声にならなかった。



ごめん、ごめんね。


心配かけて、ごめん。


私も、また会えて嬉しいよ。



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