オーロラの歌
喉につっかえたみたいに声が出なくて。
この気持ちを伝えたくて。
私は、泣きそうになりながらも微笑んだ。
「ところでさー」
私達の周りを漂う雰囲気を崩壊させたのは、グリンの無気力な声。
グリンの視線の先には、未だに繋がれた私とシエルの手が。
「なんで、オーロラの家にいたそいつがいんの~?」
グリンは首を傾げながら、私の隣にいるシエルを指差した。
我に返って私から離れたラジも、不思議そうにシエルを見る。
「付いてきたんだ」
口を開いたシエルが言ったのは、その一言だけだった。
さらに大きく首を傾げる二人に、私はシエルが一緒にいる経緯を説明する。
「ふーん」
「それじゃあ、これからはそいつ……シエルも一緒ってわけか」
説明を聞いた二人が、シエルを観察し始めた。