オーロラの歌



どうして、女王様はそんなことをしたの?


自分の家族を、殺すだなんて。


私が考えていたことを読み取ったウメおばあちゃんは、少しお茶を飲んだ後、話を続ける。



「イービル様は、実の妹を嫌っておりました。妹に期待を寄せていたご両親も」


「だから、殺したっていうのか?」


「おそらく、ですが」



ラジの言葉に、ウメおばあちゃんは悲しげに頷いた。


もしかして、その妹って……。


私の揺れる瞳と、ウメおばあちゃんの濡れた瞳が、重なる。



「オーロラ様」



不意に名前を呼ばれて、やっぱり、と思ってしまった。



「イービル様の妹こそ、あなた様のお母様であり、本来ならば今女王であられるお方――アンジェラス様でございます」



やっぱり、そうなんだ。


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