オーロラの歌



お母さんが、女王様の妹で元は王家の一人。


その事実を、ようやく受け止められた。



「だが、王家が全員殺されたのなら、なぜオーロラの母親は前まで生きていたんだ?」


「そうだよ~。オーロラが今生きてることも、おかしくなってくるよー?」



シエルとグリンの問いかけに、ウメおばあちゃんは流れそうになった涙を拭って答える。



「アンジェラス様は、どうしても死ぬわけにはいきませんでした」


「それは、女王様になる予定だったから~?」


「確かにそれも理由の一つでしょう。ですが、もう一つ、理由がありました」



また、ウメおばあちゃんと目が合う。



「それは、アンジェラス様がお腹の中に身ごもっていた、子ども……オーロラ様を守るためです」



身体中が、泣き叫んでいるような気がした。


目頭が、熱くなる。



ねぇ、お母さん。


命懸けで私を守ってくれたこと、なんで教えてくれなかったの?


今、生きてることの奇跡を、有り難みを、お母さんに伝えたかったのに。



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