オーロラの歌
「アンジェラス様が亡くなられた今、あなた様こそ、この国の王になられるにふさわしいお方です」
ウメおばあちゃんの熱い瞳が、私を捉える。
私が、国王に?
三人が、私から離れて。
私は涙をごしごしと拭って、ウメおばあちゃんの言葉の意味を詳しく聞く。
「どういうことですか?」
「イービル様が治めるこの国は、とても不安定なんです」
不安定、か……。
確かにそうだ。
パッと見ただけでも、経済格差の表れが著しい。
「実際、イービル様を支持しているのは貴族とわずかな民衆のみ。他は、イービル様が女王であることに反対しているのです」
「この町の住人達も、反対しているんですか?」
私がそう尋ねると、ウメおばあちゃんは即座に肯定した。