オーロラの歌
……最低、だけど。
憎んじゃダメだ。
恨んじゃダメだ。
『その能力は、誰かを救うために使いなさい』
『誰かが泣いていたら、傷ついていたら、苦しんでいたら、手を差し伸べてあげてね。たとえ、誰であっても』
私がしなければいけないこと。
それは、私の力で、私の歌で、全ての闇を払うこと。
『オーロラが大人になって、外に行くようなことがあったら、純粋な心でこの国を見てね』
『純粋な心?』
『そう。汚れのないその心で、この国に、歌を届けて』
光や、幸せや、輝きを、届けること。
純粋で真っ白な心に真実を掲げて立ち向かって、この世界を束縛している女王様の真っ黒な感情を、変えること。
「この町の人々が、女王様を怖がっているのはそのためです。いつこの町を滅ぼされてしまうのか、と毎日気が気でありません」