オーロラの歌
でも、そうじゃなかった。
ちゃんと覚えていてくれた。
『……うん。お父様、お母様、ありがとう』
『私もイービル姉様にプレゼントあげるのー!』
『アンジェラスも、ありがとう』
うっかり泣きそうになって、慌てて俯いた。
なんだか、胸の奥がくすぐったい。
今日はあたしが主役だと、言われてるみたいだ。
『イービルがもう五歳だなんて、時が経つのは早いわね』
『いずれ娘が女王の座に即く日も、遠い話ではないんだろうな』
二人は、あたしの憧れだった。
この国を統べる王であるお父様と、お父様を支える女王であるお母様。
二人とも、国の民に称えられ、崇められ。
王や女王であることに誇りを持っている。
あたしも、二人のようになりたい。