オーロラの歌
お父様の責任感と圧倒的な迫力と、お母様の寛大さと魅力的な人柄。
それらを長女であるあたしが引き継いで。
お母様のように支える側としてではなく、この国をまとめる側の“女王”として。
いつか、全てを守れるように、この国の頂点に立つ。
それが、あたしの夢だった。
それが、実現すると信じていた夢だった。
朝食を食べ終え、あたしはアンジェラスと共に広間を去ろうとした。
けれど、
『イービルは、ここに残りなさい』
なぜか、お父様に引き止められた。
言われた通り、あたしは広間に残り、アンジェラスは先に自室へと戻っていった。
先程とはガラリと変わって、真剣な顔つきをしているお父様に、あたしは異様な緊張感を抱いていた。
長いテーブルの端と端。
あたしは、椅子に座ったままのお父様とお母様に、向かい合うようにして立つ。