オーロラの歌
自分の血が、沸騰しそうなくらいに熱い。
熱すぎて、苦しい。
でも、それ以上に感じるのは、全身の痺れと疼き。
二秒前。
あたしは無意識に片腕を高く上げていた。
『え……っ』
声が漏れたのは、午前九時までわずか一秒前の時のこと。
あたしが動かしているわけでもないのに、手のひらがグッ、と握り締められた。
そこには空気しかないのに、確かに何かを掴んだ感覚に陥る。
強く握られた拳は、何が起こっているのか全くわかっていないあたしを放って、勢いよく足元まで振り下ろされた。
――時間は、午前九時ちょうど。
拳が床に触れた瞬間、窓の外がピカッと光り、城の上空に真っ黒な雲が作られ。
そこから、城の庭めがけて、雷が轟きながら落ちてきた。
『これって……』
あたしが、やったの?
あたしは、お母様と同じ、雷を操る能力を持っているってこと……?