オーロラの歌
よかった。
クッキーを気に入ってもらえて。
しばらくして、
「あ、あのさ、オーロラ」
ずっと黙って紅茶を飲んでいたラジが、口を開いた。
一人がけのソファに座っている私は、何?、とラジに目を向ける。
「俺、思うんだけど……」
どうしたんだろう。
ラジの真剣な口調に、私は首を傾げる。
グリンは指についたクッキーのカスを舐めながら、横目にラジを見ていた。
「オーロラは、ここから離れた方がいい」
え……?
どういうこと?