オーロラの歌



よかった。


クッキーを気に入ってもらえて。



しばらくして、



「あ、あのさ、オーロラ」



ずっと黙って紅茶を飲んでいたラジが、口を開いた。


一人がけのソファに座っている私は、何?、とラジに目を向ける。



「俺、思うんだけど……」



どうしたんだろう。


ラジの真剣な口調に、私は首を傾げる。


グリンは指についたクッキーのカスを舐めながら、横目にラジを見ていた。




「オーロラは、ここから離れた方がいい」




え……?


どういうこと?



< 27 / 888 >

この作品をシェア

pagetop