オーロラの歌
ねぇ、アンジェラス。
盗られたものの代償は、大きいわよ。
覚悟しておいて。
鍵付きの引き出しから、何年も隠してきたハルシオンのページを取り出した。
もう、これしかない。
これしか、頼れるものがない。
仕方のない、ことなのよ。
『あたしが女王になれるなら、』
悪魔にだって、悪霊にだって
魂を売ってやる。
ずっと潜ませてきた殺意を開放して、あたしを見限った全員に絶望感を与えてやる。
きっと最初は、殺意と呼ぶには未熟な嫉妬心だった。
それが自分でも気がつかない間に、だんだんと大きく実っていったんだ。
血に飢えた、漆黒に塗られた醜い感情が、あたしの核を担いつつある。