オーロラの歌
ずっとあたしを見ていたのなら、『どうして』なんて言わない。
そんなことを聞いてくるということは、あたしのことをどうでもいいと思っていたからでしょう?
あたしよりもアンジェラスを、優先していたからでしょう?
普通は、気づくはずだ。
あたしが、ここまで殺意を抱え込む前に。
なのに、あなた達はあたしを放っておいた。
『に、逃げなさい、アンジェラス!』
『でも……』
『逃げなさい!』
アンジェラスはお母様の命令に従おうと、あたしから逃げていった。
あたしの殺意は、変わらない。
『どこへ逃げても、あたしは必ず殺すわ』
『イービル、そんなことやめなさい!』
お母様が怒るのも、よくわかるわ。
王族が犯罪者になるのは、食い止めたいのでしょ?