オーロラの歌
王家の伝承が、頭を過ぎる。
“いやしの歌の能力を持つ者が王としてこの国を治めよ”。
つまり今、次期国王に位置づけられているのは、あたしの息子ではなく、アンジェラスの子ども。
アンジェラスは、あたしに復讐しようと、わざと子どもを残したの?
『その子どもの名は、オーロラ』
殺さなくてはいけないわね。
あたしの夢を潰そうとする者は、全員。
アンジェラスの分も、残酷な死を与えなくては。
『……あ、そうだ』
思いついたアイデアに、不敵な笑みがこぼれる。
素敵なゲームをしよう。
オーロラという名のアンジェラスの分身が、あたし以上に苦しんで、生きるのが辛くなるような。
この世にオーロラを味方する者がいなくなるような。
そんな、あたしの復讐劇にふさわしい、恐ろしいゲームを。