オーロラの歌
「――ねぇ」
窓脇に肘をつきながら、後ろにいる息子に声をかける。
茜色の空が、夕闇に溶けていく。
「まだオーロラは死んでないの?」
「はい」
何度も何度も催眠魔法をかけてあげた息子は、あたしに絶対服従。
十五歳となった息子は、あたしの右腕として、あたしの大事な駒として、立派に成長してくれた。
「もし、オーロラがあたしに会いに来ようとしているなら」
風が、あたしの髪をなびかせる。
ポツリと呟いた声さえも、かき消してしまう。
「このゲームのエンディングにぴったりの、最高のパーティーでも開きましょうか」
「……はい」
「多勢の方を招待しなくちゃね」
「……はい」
「あとでテレパスで、アイツに次の目的地についての詳細を聞いておいてちょうだい」
「かしこまりました」
最後は、あたしがこの手で終止符を打ってあげるわ。
まだ一度も会ったことがないオーロラは、あたしに殺されることを喜んでくれるわよね?