オーロラの歌





「私、この国を救いたい!」



急に立ち上がったオーロラが、決意したようにそう宣言した。


ずっと逃げるために旅をしてきた。


だが、オーロラは、これからは立ち向かうために旅をしようとしているのだ。



「救うって、どうやって~?」


「女王様と真正面からぶつかって、話し合いをして、この国の現状を知ってもらって、改善していってほしいって伝えるの」



グリンの問いかけに、オーロラは真剣に答える。


それってつまり、女王様に会いに行くってことか?



「そ、そんな……」


「そんなの危険すぎる!!」



俺が言う前に、シエルがテーブルをドンッと叩いて叫んだ。


俺は、シエルの意見に賛成だと伝えるために何度も頷く。



「うん、わかってる」



俺とシエルの荒ぶる気持ちが、オーロラのその一言で静まっていく。


オーロラは俺達とは違って、驚くほど落ち着いていた。



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