オーロラの歌



禁断の魔法書のページが?


それって、すげぇやばいんじゃねぇのか?



「いつ破られたか、ご存知ありませんか!?」


「さ、さあ?」



俺が禁断の魔法書を預かっていた七年間、俺は怖くて本に触れることもできなかった。


というか、存在自体忘れていた。



「魔法学校の生徒は、禁断の魔法書のある部屋には普通入れないんだ。だから、少なくとも七年前から、今の状態のはずだぜ?」



当時の校長先生や他の先生や生徒がページを破った犯人とは考えにくいし、校長先生でさえそのことに気づいていなかった可能性だってある。


もし、校長先生と両親が死んだあの日、校長先生が初めて禁断の魔法書に目を通していたのなら。


ページが破られたのは、七年前よりも前のことになる。


全部、憶測に過ぎないけれど。



「では、セイント城にいた誰かが破ったとしか、考えられませんね」


「どうしてだ?その本は元々、魔法学校にあったんだろ?」



シエルの疑問に、ウメおばあちゃんは咳払いをしてから答える。



「この本は、本来、セイント城にあったものなのです」



ウメおばあちゃんは、推測ではなく断定した言い方をした。


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