オーロラの歌





「♪~~どうか神様お願いです 輝きを纏う幸せを君へ~~♪」




ねぇ、お母さん。


もしかして“君に贈る幸せのかたち”は、離れ離れになってしまったお父さんのことを想って作ったの?


この歌を歌う時、いつも泣きたくなるほど愛しくなって切なくなって、お母さんの「大好き」って気持ちが伝わってくるんだ。


お母さんはそれくらい、この歌の「君」を……お父さんのことを愛していたんだね。



歌い終えてすぐ、



「もう一回歌って!」



と、子ども達が声を揃えて、アンコールを懇願してきた。


もちろん、私はリクエストを承諾した。



「あ、でも、この前もずっと同じ歌だったけど、飽きてない?違う歌、歌おうか?」


「ううん、今の歌がいい!」


「本当?」


「うんっ!オーロラお姉ちゃんが歌ってくれる歌が、だーいすき」



満面の笑みで言ってくれた女の子に続いて、他の子ども達も「大好きだよ」と返事してくれた。


私の気遣いなんて、無用だったね。


ありがとう、皆。



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