オーロラの歌



二回目の歌は、一回目よりももっと強く願おう。


もう二度と、子ども達が我慢することも、絶望してしまうこともありませんように。


私の歌を思い出して、いつでも温かな幸せを感じられますように。




「♪~~ありがとうって微笑む 嬉しくて仕方ないんだ 君のそばにいさせてよ~~♪」




目には見えない、けれど確かに私を囲んでいる子ども達を包んでいる、眩い煌めき。


その煌めきは、奇跡を呼び起こすように、歌をカラフルに彩る。


着飾られた歌声は、さらに力を増して、また煌めきを生み出す。



あぁ、心臓がギシギシして痛いや。


でも、声が枯れない限り、まだ歌える。




それから歌を合計十回歌い、気づけば正午過ぎになっていた頃。



「おーい!」



私と子ども達のところに、グリンがやって来た。


グリンが手に持っている大きめのかごからは、美味しそうな匂いが漂う。



「どうしたの?」


「これ、ウメおばあちゃんから『お昼に食べてください』ってさ~」



グリンはそう言うと、私と子ども達に大きめのかごの中身を見せびらかす。


大きめのかごの中には、サンドイッチがたくさん入っていた。


ウメおばあちゃんが作ってくれたんだ……。


あとでお礼を言わなくちゃ。



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