オーロラの歌



私は、町の皆に背を向ける。


顔だけ後ろに向けて、大きく手を振った。



「さようなら!」



町の皆も、「バイバイ」「またね」「また歌を聴かせてください」と別れを告げながら、手を振り返してくれた。


泣きそうになったのを、必死に抑える。



歌を通して町を明るく染め上げ、隠蔽されたはずの過去を胸の奥に閉じ込めた私達は、フロンティア・シティと別れ、次の目的地を目指して旅を再開した。




遠ざかっていく私の背中を、静かに見守るウメおばあちゃん。


私とぶつかった女の子が聞いてしまった、ウメおばあちゃんの呟き声。



「どうか、覚悟をお持ちください」



ウメおばあちゃんは、乾燥しすぎて亀裂が入っている大地を歩く私達には、呟きが届かないとわかっていながらも、ポツリと声を振り絞った。




「『禁断』の意味を知ってしまった覚悟を――」




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