オーロラの歌
今更ながら照れくさくなって、頷くことも否定することもせず、プイと斜め上に顔をそらす。
でも、それが逆に肯定を意味することになってしまったらしく。
『ふふっ』
少女は、今度は涙ではなく、笑みをこぼした。
チラッと少女の方を見ると。
少女は、頭から取った花の冠をまるで宝物のように見つめていた。
とてもとても、幸せそうに。
『ありがとう』
少女が俺に向けた笑顔は、ひどくもろそうで、それなのに花よりも美しいものだった。
胸の奥が、なんだかおかしい。
なんだ、これ。
身体中が熱くなって、息ができなくなって、頬が赤く染まっていく。
ずっと、笑っていてほしい。
ずっと、この笑顔を守りたい。
なぜか、そう、祈りに似た気持ちで思ったんだ。