オーロラの歌
一斉に迫ってきた警備隊の鉄剣を受け流し、剣の峰の部分で警備隊の足を払った。
警備隊の奴らはそのまま、下へ下へ、階段を転がっていった。
オーロラは、俺達を信じて前に進んだ。
なら、俺ができることは、一刻も早くオーロラの元に行き、オーロラを安心させること。
怪我などするものか。
この国全ての森の番人を任された俺が、警備隊ごときに手こずるわけがない。
オーロラに幸せになってもらいたい。
オーロラの心からの笑顔が見たい。
そんな俺の願いを壊そうとしている奴らを、オーロラを捕らえ殺そうとしている奴らを、俺は許さない。
愛している主を生涯守り抜くことこそ、俺の宿命。
運命を切り拓き、障害を乗り越え。
また、のどかな日々を送るんだ。
オーロラのそばで。
「ラジ」
「なんだ?」
「長時間保てるほどの目くらましの魔法はあるか?」
「あるけど……」
ラジは、それをどうするのか、と聞こうとする前に、俺の考えを汲み取った。