オーロラの歌




「セイント城へ急ごう」



俺達は路地を抜けて、人に紛れながら大通りを歩き、途中で脇道に入ってセイント城の正門を目指した。



もし、先程の話が事実ならば。


時間との勝負になりそうだ。


女王に処刑される前に、オーロラを助け出す。


オーロラを死なせたりするものか。



『俺はいつも、お前のそばにいる』



あの誓いは、今もなお胸に在る。


オーロラへの忠誠を、力に変えて。


俺は、愛しい君に手を差し伸べに行く。



不安がっていないだろうか。


泣いてはいないだろうか。



なあ、オーロラ。


俺がお前を絶対に守ってみせる。


だから俺を信じて、待っていろ。



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