オーロラの歌



ステージに上がると、女王様が柔らかく微笑んだ。



「初めまして、オーロラ」



ゾワッ、と背筋が凍る。


なに、この人。



「ずっとずっと、会いたかったわ」



全身から、殺気が満ち溢れている。



「ずっと、ずっと」



闇を司る、悪のエネルギーを操っている。



「殺したかったわ」



悪魔の声を間近で聞いてしまったせいか、くらり、と脳が揺れた。


満面の笑みで、なんて残酷なことを言うの。


ウメおばあちゃんから聞いていた以上の、恐ろしい迫力を感じる。



女王様はパンパンッ、と二度手を叩くと、ステージの脇から誰かが出てきた。


その“誰か”に、驚きを隠せない。



「どうして……」


「紹介するわ」



衝撃が走り、下唇を噛み締める私に、女王様は優越感を表情に浮かべる。



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