オーロラの歌
オーロラの幸せを願い続けよう。
たとえ、オーロラが離れていってしまっても。
俺は、お前を愛することも、守ることもやめたりしない。
「――行くのか?」
ラジとグリンがやってきた、その翌日の朝。
旅立つ支度をしていたオーロラに、声をかけた。
「うん」
オーロラはたったそれだけ呟くと、俺の方を向いた。
困ったように笑うオーロラに、俺は何も言えなかった。
昨晩この家に泊まったラジとグリンは、家の前でオーロラを待っている。
本当は、言いたいことが山のようにあった。
どうやって、オーロラを引きとめようか、一晩中考えていた。