オーロラの歌
オーロラ。
俺がいるだけじゃ、ダメだったのか?
ずっと二人だったのに。
楽しく過ごしていたのに。
遠い世界へ行ってしまうのなら
いっそ、俺の腕の中で眠って。
俺だけの、プリンセス。
……なんて。
そんなこと、できるはずないのに。
漏れそうになった声を、無理やり押し殺した。
オーロラの命が国に狙われている、という昨日のラジの話を、俺は姿を現さずにこっそり聞いていた。
ここにいれば、俺がお前を誰からも何からも守ってやる。
だから行くな、オーロラ。
きっとそう言っても、オーロラは行くのをやめないんだろうな。
オーロラは、気づいているんだ。
ここにいても、運命が動きを止めたりはしないことを。