オーロラの歌
幼い頃から、孤独だった。
イービルが女王の座に即いたばかりの頃は、フロンティア・シティはまだ活気づいていた。
けれど、数年経つと、女王様は何かに執着したように、国のことを見放した。
(おそらくその何かとは、オーロラの母親を見つけ出して殺すことだったんだろうけど。)
そのせいで、町は多大なる影響を受けてしまい、あからさまな経済格差が生まれてしまった。
それに比例するように、住人達の期待も明るさも消え、町全体が年々と貧しくなっていった。
両親は、産まれた僕を経済的にも精神的にも育てられなくなって、薄暗い路地に僕を捨てた。
物心もついていなかった僕は、両親を責めることも、さまよい歩くこともできなかった。
餓死寸前になってようやく、あぁ、僕は捨てられたんだな、と涙した。
ただただ、悲しかった。
今更両親に会いに行ったとしても、「仕方がなかった」の一言で片付けられてしまうほど、この町はすさんでいた。
どれだけ泣いても、空腹は満たされなくて。
僕は、生きていたい衝動に駆られた。
両親への恨みは確かにあった。
けれど、遥かに衝動の方が大きく、僕は迷うことなくその衝動にすがった。