オーロラの歌
憶測が、ぐちゃぐちゃに絡み合う。
ここでの返答によっては、僕に明日は来ないかもしれない。
どうしたらいいんだろう。
『……その様子は、知っているのね?』
女王様の目が、ギラリと光る。
僕の演技を見破るほどの眼力を持っている女王様に、嘘をついても速攻バレるだろう。
こうなったらやけだ。
正直に打ち明けてやろう。
『ぼ、僕に、何か用ですか~?女王様』
『まあ、あなたのことだったの。よかったわ、見つけられて』
僕の命がかかっている、女王様との会話。
一言一言が、鉛のように重かった。
『実はね、あなたに依頼したいことがあるの』
『依頼?』
『そう。あたし専属の殺し屋になって、とある少女を殺してほしいの』
そういえば、先日、女王様は似たようなことを公表していた気がする。
僕の記憶が正しければ、その少女を殺したら、懸賞金として一億テラスがもらえるはずだ。
そんな大金があれば、殺し屋をしなくたって生活していける。
『引き受けてくれるかしら?』
『もっちろんですよ。僕なんかでよければ、喜んでー』
それにしても、殺し屋に頼るほど殺したい少女って、どんな奴なんだろう。
まあ、いっか。
どうせ、殺すだけだし。