オーロラの歌
翌日、僕はゼロさんにテレポーテーションさせられて、ジェネシスの森へやって来た。
早速、依頼をこなさなければいけないのだ。
標的である少女については、女王様から詳しく説明された。
女王様の下僕の調査によると、名前はオーロラで、エメラルドグリーンの髪色をした、いやしの歌を授けられた十七歳の少女……らしい。
僕と大して変わらない年齢の奴を殺すのなんて、楽勝じゃん。
人を寄せ付けないジェネシスの森にいるから、懸賞金がかかっても、世間に極悪人と呼ばれても、今まで誰も殺せなかったんだろうな。
女王様は、少女には残酷な死に方を希望している。
僕も、この世界も、女王様のゲームの雑魚なプレイヤーでしかない。
それでも、僕は生きるために殺るだけだ。
ジェネシスの森の奥の奥の、そのまた奥にある小さな家を、近くの木に登って観察してみる。
小さな家では、藤紫色の髪をした、とある少年がオーロラを殺そうと首を絞めていた。
うわ、先越された。
ていうか、あいつ誰?
僕の手柄、勝手に取らないでほしいんだけど。