オーロラの歌
本当は僕も、真っ直ぐでありたかった。
歪みたくなかった。
今からでも遅くはないのなら、僕も……。
『それじゃあ~』
気づいたら、手を挙げていた。
『僕も一緒に、オーロラを守っちゃおうかなあ』
口が滑った、とでも言うべきか。
催眠魔法がかけられていない方の意思が、僕にそんなことを言わせたとしか思えない。
僕は、心の奥で望んでいたのだろうか。
誰かのために生きていきたい、と。
夜になってゼロさんからのテレパスを通じて、恐る恐る殺せなかったことを話すと、女王様は高笑いをしながら言った。
『……残酷なゲームは、これからよ』
この展開を推測していたかのような言い方に、身の毛がよだった。
女王様があっさりとオーロラの旅への同行に許可を出した後、テレパスは切れた。
女王様が僕を信頼しているのか、していないのか。
真意がどちらだとしても、変わらない。
僕が、オーロラを裏切ることになる事実だけは。