オーロラの歌
「なあに、これ」
あたしの部屋のテーブルの上には、大量の紙が山積みされていた。
一番上の紙を手に取って見てみると、そこには女王であるあたしに対する苦情がズラリと綴られていた。
「なあに、これ」
さっきと同じことを、先程よりも刺々しく呟く。
あたしは持っていた紙をくしゃくしゃに丸めて、ゴミ箱に捨てる。
国民の言葉なんて、どうだっていいの。
クレームは、一切受け付けないわ。
あたしが女王のこの世界で、何が不満なの?
「あたしは、女王」
開けた窓から、国を眺める。
あたしの住む、“セイント城”からは、国全体が見える。
この国は、この世界は、あたしのもの。