オーロラの歌




『きっと、汚くないよ』


『え?』


『前はそう思っていたかもしれないけど、きっと今なら、汚くない』



オーロラは町のことを言っているのに、僕の耳には、僕自身のことを言っているように聞こえた。


都合良く解釈しているにすぎないのは、わかっているけれど。



『いい町だって、思えるはずだよ』



そう思えたとしたら、それはオーロラのおかげだよ。


オーロラが、僕に幸せをくれたから。


僕を信じてくれたから。



汚いのは変わりないのかもしれない。


でも、オーロラと出会って、僕の世界は確実に色づいていった。




だからこそ、ずっと、言いたかったことがある。



オーロラのことを心の底から信じていたよ、って。


仲間だと思っていたよ、って。



近い未来、僕はオーロラを傷つけてしまう。


それでも、僕を信じ続けてくれる?、って。


裏切ってごめん、って。



大好きだって伝えてもいい?、って。




きっと、言えないだろうけど。



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