オーロラの歌
一瞬で、クリスタル・タウンからフロンティア・シティの貧相な噴水のある場所へ、飛ばされた。
軽やかに着地した足は、ガラクタも同然で。
力が入らなくて、地面に座り込んでしまった。
「オーロラ、大丈夫か!?」
「どうした、オーロラ」
そんな私に、ラジとシエルが不安げに声をかける。
大丈夫って言って笑いたいのに、それすらもできないほど、胸が締め付けられる。
……大丈夫、じゃ、ない。
全然、大丈夫じゃないよ。
痛くて、辛くて、悲しくて。
どうしようもないくらい、苦しい。
「……うぅ、ふ、っ」
冷たい涙が、絶え間なく頬を伝う。
いつだって、別れは突然だ。
お母さんが死んだのは、私に歌を歌ってくれていた時だった。
お母さんは、最後の力を振り絞って『その能力は、誰かを救うために使いなさい』と言い残し、手紙を託して、永遠の眠りについた。
――グリンとの別れも、やっぱり突然で。
こんなにあっけなく、境界線を引くような別れが来るなんて、思ってもみなかったんだ。
四人で楽しく仲良く、旅を続けられると、信じて疑わなかった。
幾度となく傷ついて傷つけられて、残されたものは気泡みたいに淡くて。
裏切り、そんな言葉が浮かんだけど、すぐに消した。