オーロラの歌
誰のことも憎みたくないのに。
誰に対しても、平等に光を届けたいのに。
純粋で優しくいたいのに。
その願いが目には見えない鎖となって、私を縛り付ける。
私って、ひどい奴だね。
お母さんとの約束を、破ってしまいそうになる。
空が、藍色に彩られていく。
もう夜なんだ。
星の不透明な瞬きが、地面に落ちた涙の跡を寂しげに照らした。
……どうしよう。
どれだけ涙を流しても、何度も溢れてくる。
押し殺した泣き声が、喉の奥に詰まっていく。
「オーロラ……」
シエルが心配そうに私の背中をさすってくれた。
私は、誰ひとりとして救えなかった。
逃げないと誓ったのに、また逃げてしまった。
泣くことしかできない私を、許して。
ふと、ラジが私の震えた肩に触れた。
ラジの体温が、じんわりと伝わってくる。