オーロラの歌
「♪~~世界で一番好きだから 流れ星に祈らなくても~~♪」
いきなり歌い始めたのは、私ではなくラジだ。
私を元気づけようと、支えようと、私を想って歌ってくれているの?
恥ずかしそうに、だけど堂々と歌うラジの姿が、霞んだ視界に映る。
ラジの歌は、シエルが呆れてしまうくらい、お世辞にも上手だとは言えなくて。
それでも、愛しくて。
また、瞳が潤んだ。
温かい涙が、私の濡れた頬を撫でる。
ラジには私のような能力はないはずなのに、歌を聴けば聴くほど、確かな愛に包まれていった。
歌って、不思議だなあ。
苦しさが、和らいでいく。
「ラジ、歌ってくれてありがとう。シエルも、背中をさすってくれてありがとう」
泣いた後は、笑おう。
そうすれば、きっと笑顔が心を強くし、幸せが運ばれてくるから。
「失敗を悔いても仕方ない。もう一度、立ち向かえばいいだけだ」
「シエルの言う通りだ。悲しんだ分、前に進もう」
シエルとラジが、私に手を差し伸べる。
胸に掲げた覚悟に、仲間からもらった勇気を灯して。
未来を煌めかす希望を、掴んでみせよう。
「うん……!」
私は、二人の手に自分の手を重ねて、立ち上がった。
信じていれば、諦めなければ、やり直したい気持ちがあれば、この世界を救えるはずだ。
そうだよね?お母さん。