オーロラの歌
……方法が、見当たらない。
それでも、諦めるわけにはいかない。
「ゼロ、グリン」
女王様は私達と向かい合うような形になって、二人を呼ぶ。
瞳に何も映していない二人も、私達の近くまで歩いてきた。
「あたし達が、あなた達の相手をしてあげるわ」
女王様の迫力のある殺気が、私達に圧力をかける。
私は負けじと、目をつり上げた。
「オーロラ、あなたには絶対に催眠魔法はかけないから、安心してね」
「……どういう意味、ですか?」
「あなたを服従させるより、あたしに逆らいながらだんだんと生きる意味をなくして残酷に死んでいって方が素敵でしょ?」
女王様の満面の笑顔に、言葉を失う。
なんて酷いことを、なんて嬉しそうに考えているの。
女王様は私に洗脳するのすら拒否反応を起こすほど、私を憎んでいたんだ。
「女王様も、安心してください」
「は?」
「私の歌で、必ず女王様を闇から救ってみせますから」
私が強気にそう言ったら、女王様は苛立って眉をひそめた。