オーロラの歌
今日も太陽が照り輝く、どこまでも続く青い空。
窓を開けて、微笑んでいる空を眺める。
いい天気だなぁ。
「“オーロラ”」
後ろから私の名前を呼ばれて、振り向く。
窓から入ってきた爽やかな風が、私のエメラルドグリーンに染まる短い髪を揺らした。
「“シエル”、どうしたの?」
私に声をかけてきたのは、
この国の全ての森の番人であり、ジェネシスの森の支配者。
そして、私を守護する精霊。
名を、“シエル”という。
銀色に近い薄いグレーの長い髪をひとつに結っている彼は、相変わらず無愛想。
もっと、にこやかにしていればいいのに。
「近くに、怪我をした鳥を見つけたんだが……」
シエルの両手には、小さな鳥が乗っていた。