オーロラの歌




『オーロラ』


『オーロラ~』



後ろから声がして、振り返る。


そこには、ラジとシエルがいた。


シエルと同様に、二人の姿も蛍光塗料でも塗ってあるんじゃないかってくらい、明確に捉えられた。



二人が、私を迎えに来てくれたんだ。


泣きそうになっていた私は、二人の元へ駆け寄った。


しかし、二人の背後に突如女王様が出現して、二人を絞め殺した。


だらん、と脱力したように下がる二人の体。


女王様は二人を投げ捨てた。



『やだ、やだ、やだ!!』



ラジとシエルと女王様の姿が、闇に紛れる。


また、独りぼっち。


皆、死んでいく。


こんなの、嫌だ。


まるで地獄だ。


生きていたくない。


誰かが死ぬところなんて見たくない。



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