オーロラの歌




真っ青な空の下、獣道を歩いていく。


四方八方から、鳥や動物の鳴き声が聞こえてくる。



「ねぇ、私達ってどこへ向かってるの?」



私は、ふとした疑問を二人にぶつけてみた。


真っ直ぐに歩いているのはいいけど、ジェネシスの森の奥には何があるんだろう。


この国の地形も、地図も、地理も、何も知らないから、検討を立てることさえできない。



「この森の奥には、ある街があるんだよ~」



グリンが、前髪をいじりながら教えてくれた。


ある街……?



「それって、どんな街なの?」


「オーロラって本当に何も知らないのぉ?」


「う、うん。今まで、家を出たことなんてないし」


「じゃあ、やっさし~い僕が、この国のことを教えてあげるよ」



グリンは得意げにそう言うと、地面にこの国の地図を簡単に描いてくれた。



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