オーロラの歌



国の左端にあるのは、アストラル・グラウンドの隣町である“フロンティア・シティ”。



「フロンティア・シティは、僕の故郷だよ~!」


「え!?」



グリンの言葉に、ラジが驚く。



「フロンティア・シティって、獣族が多く暮らす町だろ?ってことは……」


「うん、そうだよ?僕も、獣族」


「えええ!?」


「あれ?言ってなかったっけ」



私は話についていけなくて、驚くこともできない。


獣族って、何?



「ほら、これが証拠だよ~」



間延びした口調で言ったグリンは、私とラジに手の甲側を見せると。


グリンが手に力を入れた瞬間、爪が急速に伸び、それと同時にグリンの八重歯も大きく変形していく。


爪と歯の先端は、鋭く尖っていた。



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