オーロラの歌
真夜中、まん丸になりたがっている月がくっきりと顔を出す。
窓の外を眺めると、灰色の雲が空を泳いでいた。
「さっきまで晴れてたのに」
悪くなりそうな天候に、不安が募る。
そういえば、今朝感じた予感は何だったんだろう。
特に、悪いことは起こらなかったのはよかったけど。
まだ、得体の知れない感覚が、胸にわだかまりを残している。
「うぅ、モヤモヤする」
なんだか気持ち悪い。
今日はもう寝よう。
運良く、宿題はないし。
ぐっすり眠ってしまおう。
明日になったら、この変な予感も消えてるかもしれないし。
午後九時、電気を消してベットに横になる。
いい夢が見れたらいいな。
襲ってきた眠気に抵抗せず、瞼を下げていく。
寝息を立てて、深い眠りに入った数時間後。
窓の外がピカッと眩く光り、ゴロゴロ……と空の上から唸り声が発せられる。
そして、真夜中零時ちょうどになった瞬間。
――ピッシャーン!!
大きな音を轟かせたのは、いくつもの雷だった。
その雷のひとつが寝ている私に落ち、白い閃光に包まれた。