オーロラの歌
それは、始まる物語のプロローグ
とある家の、一室。
すやすやと寝息を立てている、とある人物にも、小倉琉美と同様に雷が落ちていた。
雷光によって届けられる、黒ずんだ記憶と能力。
――あぁ、あなたが、この世界のあたしなのね。
今度こそ、オーロラを殺す。
そのためにも、あたしの……ルシフェル王国の女王であるイービルの、意思を、闇を、受け継いで。
あたしの恨みも、悪も、復讐心も。
全部丸ごと、あなたにあげるわ。
頼んだわよ。
さあ、オーロラを、アンジェラスを、あたしの敵となる奴全員を憎みなさい。
光は要らない。
あたしを邪魔する者も、要らないの。
お願いよ、あたしの代わりに排除して。
あたしの雪辱を遂げて。
殺すことをためらってはダメよ?
転生したオーロラを、残酷に殺して。
あなたには、あたしと似たような意識を感じる。
期待してるわ――。