オーロラの歌
そして、少女は目を醒ます
泣きたくなるほどの衝撃が、脳に、精神に、感覚に、感情に、心に波を立てていた。
私を覆う強い光の表面に、映像が再生される。
なに、これ……?
映像に映る、見たことのない異国の地での冒険。
いや、これは映像というより、記憶だ。
私ではない誰かの思い出なのに、私はそれを確かに知っている。
ドクン、と激しく脈を打つ。
私は、その記憶に釘づけになっていた。
記憶の持ち主が、藤紫色の髪をした男の子とベランダで会話をしている。
『……ラジ』
今度は、ハイトーンブロンドの髪をした男の子にヘアピンをプレゼントした。
『ぐ、グリン』
その次は、グレーの長髪の男の人に花の冠を作ってもらった。
『シエル……』
また、場面が変わって。
漆黒の髪をした男の子の隣に座って、湖を見つめている。
『っ、ゼロさん』