オーロラの歌
私に植え付いた記憶が、だんだんと着実に私と一体化していき、全てが明確なものとなっていく。
知っているんじゃない。
教えてくれたんだ。
私の前世である、オーロラが。
『琉美、お願い』
オーロラは、パラレルワールドで同じ魂を持つ私に、瞳を潤ませながら託した。
『私の代わりに、運命を変えて』
光が、消えていく。
オーロラの姿も、霞んでいく。
待って。
まだ、聞きたいことがあるの。
オーロラのことも、仲間のことも、イービルのことも。
たくさん、聞かせてよ。
『どうか、女王様の闇を打ち払って』
オーロラはそう言い残すと、切なそうに微笑んだ。
私がいくら『待って、いかないで』と叫んでも、光もオーロラも遠ざかっていった。
耳元から、騒々しい目覚まし音が聞こえていた。