オーロラの歌



気分が悪い中、部屋を出て洗面台で顔を洗う。


鏡越しに、自分の顔を見た。



「オーロラとそっくりってわけじゃ、ないんだよなぁ」



髪の長さと目元が似ているだけで、あとはどこにもオーロラらしさは残っていない。


私の髪色がエメラルドグリーンだったら、オーロラっぽく見えるのかな?


いろいろ考えてみても、私はオーロラと同じ魂を持つ者、という理屈は変わりはしない。



頭には、オーロラの歌とイービルの歌の歌詞が過ぎっていた。


歌は得意なわけじゃないけど、歌うことは好き。


趣味はカラオケだし。



「これからはカラオケ禁止かな」



歌った分、苦しくなる。


その感覚を覚えているから、余計に不安になる。


私にはオーロラのような覚悟はないし、死にたくない。


生きていたい。


オーロラの後悔を、私がなくしてあげたい。


……そんな願望を全て、神様が聞き届けてくれたらいいのに。



< 551 / 888 >

この作品をシェア

pagetop