オーロラの歌
気分が悪い中、部屋を出て洗面台で顔を洗う。
鏡越しに、自分の顔を見た。
「オーロラとそっくりってわけじゃ、ないんだよなぁ」
髪の長さと目元が似ているだけで、あとはどこにもオーロラらしさは残っていない。
私の髪色がエメラルドグリーンだったら、オーロラっぽく見えるのかな?
いろいろ考えてみても、私はオーロラと同じ魂を持つ者、という理屈は変わりはしない。
頭には、オーロラの歌とイービルの歌の歌詞が過ぎっていた。
歌は得意なわけじゃないけど、歌うことは好き。
趣味はカラオケだし。
「これからはカラオケ禁止かな」
歌った分、苦しくなる。
その感覚を覚えているから、余計に不安になる。
私にはオーロラのような覚悟はないし、死にたくない。
生きていたい。
オーロラの後悔を、私がなくしてあげたい。
……そんな願望を全て、神様が聞き届けてくれたらいいのに。